しゅう兄さんの臨床心理士的生活-誰のための心理検査所見?-

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2005.12.03(土)

誰のための心理検査所見?

先日、ある医師(身体疾患系)から内線で連絡があり、

「しゅうさん、ちょっと聞きたいんですけどね?」

となにやら困り声・・・。
とりあえず話を聞いてみると、

とある精神科の病院から転院してきた患者がいて、
紹介状が当然添付されてるわけですが、
主治医らしき人からの紹介状はほんの数行程度で、
精神疾患については「非定型精神病」とだけ書かれていて、
状態については何も書かれていないようなんです。

通常、うちの医師は精神疾患には興味なんてないので、
別にそれでなんら問題ないんですけど、
紹介されてきた患者の精神症状らしきものが、
脳の器質的なものからきてるのか、
あるいはもともとの精神疾患によるものか
ちょっとわかりにくい人だったんですよね。

そんなわけで、この医師はこの「非定型精神病」について、
もう少し詳しく書いてないかなあと思い、
紹介状の封筒の中を見ていると、もう一枚、

「○○○○氏の心理査定結果について」

という臨床心理士の報告書が出てきたというんですよね。
で、それを読めばなにかわかるかなと思い、
目を通したんだそうですよ。

で、その結果、
「まったく意味がわからないんだけど、
要するにどういうことなんかちょっと教えてくれない?」
と電話をかけてこられたわけです。

そんなわけで、後ほど件の報告書とやらを読ませていただいたのですが、

まず、おどろいたのが、その量!
A41,000字程度?が4枚!
臨床心理士の私でも読む気の失せます・・・。

いちおう、文章中の宛名は「○○病院 担当医 御机下」となってました。
てことは、いちおうここの身体系の医師に向けて出したんだなということはわかります。

そして、問題の文章を読んでみると・・・
まず、実施検査は
「ロールシャッハ・テスト,P-Fスタディ,風景構成法,MMPI,鈴木ビネー」

・・・まあ、わかるけど、なんでそんなにたくさん?
で、文章は・・・
これは“私には”よくわかりました。

まあ、後半、象徴解釈がやや多かったものの、
よく書けた報告書だと思いましたよ。
ご丁寧にロ・テストのスコア(クロッパーかな?)も書いてあったけど、
私には書けないほどの、とても“素晴らしい”所見でしたです。

でも、これ書いたあなた・・・、

誰に読んでもらおうとしたんですか?

うちには精神科ないですよ?
宛て名の主治医が読めると思ったんですか?

あとで、「非定型精神病って何?」って言ってましたよ?

私も今の病院に来た頃は、たまに人格検査やると、
ロ・テストの所見を力いっぱい書いてましたし、
神経心理の所見も漢字がいっぱい並ぶ、そりゃあ“賢そうな”所見でしたよ。
でも、ちっとも役に立ってなかったですよ。
微妙なニュアンスが欠けても、大事な点だけは伝えようと、
短く、簡単に書くようにしてから、
カルテに添付された報告書に下線が引かれるようになりました。

報告書は「読んでもらえて、わかってもらえて」なんぼですからねえ。

学会である先生は、たとえ他科の医師でも、
「読めるように教育するんだ!」っておっしゃってましたが、
そりゃ、心理大好きな先生(そんなやつめったにいないけど)なら、
教育されてくれるでしょうけど、
ただでさえ、心理・精神アレルギーの強い医師を、
難解な所見を読めるレベルまで、教育なんてできます?
それに医局人事ですぐに変わりますよ?
何より、

相手にあわせてわかるように説明するのも、

コンサルテーションの技術では??


これから国家資格っていうんだったら、
こういうことも勉強していくべきだろうなあと思うんですけどね。
どうでしょうね。

長文失礼しました・・・。m(_ _)m
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│posted at 23:41:14│ コメント 10件
≫コメント 
 しゅう兄、禿同でございます。その方なりに真剣に仕事をなさったのだとは思いますけれど。

 ちょっとずれてしまうかもしれませんが、私は「自己満足の所見」だけはやめようと思っています。

 病院に入職当初って何かと不安で力が入って、それを覆い隠そうと何か「すごそうな」所見を書こうとして自己顕示してしまうのですけど、これって一人相撲で…少なくとも私は数年前にそういうことがあって、今も気をつけています。

 所見に関して、短く、そしてわかりやすく。ただ、医者によってはある程度の長さでも読んでくださって、心理検査からの情報を大切にしてくださる方もいるので、そのあたりもアセスメントしながら仕事をしていくことが重要な気がしています。

 最近は、場合によっては看護師さんにも生きるような所見にしたいなぁと考えていますが、難しいなとなやみつつ。
 失礼しました。
teru│URL│posted at 2005-12-04(Sun)│編集
すみません、突然ですが人間バトンなるものを送らせて頂きました。
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C275929918/E520532013/index.html

よろしければ受け取ってやってくださいませ。
afcp│URL│posted at 2005-12-04(Sun)│編集
こんにちは。メッセージは受け取る相手を意識して伝えるっていうことですよね。このエントリの受け取り先は不特定多数の読者でいいのですか?所見を書いた人へのメッセージのような気がするのですが、それは伝わっているのでしょうか?
裕│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
なんだか、ひとごとじゃないわ~
きっど、秀才派のせんせいなのでは??
頭よくって、経験もつんでる先生なら

ポイントをおさえる。

はずだし、だらだらと書いて読み手n先入観をもたせるようなことはしないはず、、、

勉強になりやした!!!!
姫│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
>teruさん

>病院に入職当初って何かと不安で力が入って、それを覆い隠そうと何か「すごそうな」所見を書こうとして自己顕示してしまうのですけど、

それはとてもよくわかります!さすがに今はそういうことは減ってきましたけど、院出て1年目の頃とかはそんな感じでしたね。

>看護師さんにも生きるような所見にしたいなぁと考えていますが、難しいなとなやみつつ。

あー、それは難しいですねえ。そうしたいのですが、私は必要ならもぱら口頭説明になってます・・・。まだまだです。
しゅう│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
>afcpさん

バトン受け取りました!早速書いてみます!
しゅう│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
>裕さん

いつもブログ拝見させていただいておりますm(_ _)m
(回文、結構好きです。)

>メッセージは受け取る相手を意識して伝えるっていうことですよね。このエントリの受け取り先は不特定多数の読者でいいのですか?

そうですね。基本的に私のブログは、それが頭の中で誰かを意識して書いたものであっても、独り言の域を超えないので、特に特定の対象に向けてということはありません。

>所見を書いた人へのメッセージのような気がするのですが、それは伝わっているのでしょうか?

所見の出来事を思い出して、独り言を言ってるようなものとご理解いただければと存じます。
道端で怖そうな兄さんにぶつかって、その場では何も言わずに、聞こえないところまで言ってから
「ったく何ぶつかってんだよ!バカヤロー!!」
とぶつぶつ言ってるようなものです。

もし相手の方に伝える必要があれば、相手の方に電話してお伝えすると思いますが、この場合は所見の内容自体はよくわかるものでしたし、後日、私のほうで査定を実施した際の結果も、ほぼ同様の見解になりましたので・・・。
ただ、「もうちょっと読む人考えりゃいいのに・・・。」「この医師宛てにこれはないやろう・・・。」と思っただけのことです。

今後とも当ブログを宜しくお願いします

しゅう│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
>姫さん

>勉強になりやした!!!!

とんでもないです。ただの駄文ですので・・・。

うちの病院なんかは救急病院で日本版ERのノリでばたばたしてますんで、じっくりゆっくり検査所見も読めないんで、要点を簡潔に書いて、補足があれば口頭でというのが良いように思ってます。

しゅう│URL│posted at 2005-12-05(Mon)│編集
>「非定型精神病って何?」
は面白かったです。

>学会である先生は、たとえ他科の医師でも、「読めるように教育するんだ!」っておっしゃってましたが
私は「医者(※専門を問わず)は読まない」と教わりました。
入職してみて「医者が読む」ことに驚いたほどです。

それ以上に、「心理査定結果4枚」には驚きましたけど。これほどまでの超大作は精神鑑定の査定結果でしかお目にかかったことがありません。
YOU│URL│posted at 2005-12-07(Wed)│編集
>YOUさん

コメントありがとうございます。
>>「非定型精神病って何?」
>は面白かったです。

どこでもそうかと思いますが、医師ってのは専門特化しているので、
「神経症圏・精神病圏」なんて言葉も通じない人には通じません・・・。
まして、うちのように精神科を標榜していない病院ではそういうタームを見ることもないので、やむをえないと言えばやむをえないでしょうね。

「心理査定結果4枚」は私も驚きました。というか、感動すら覚えましたけどね。内容はとても秀逸でしたよ。
しゅう│URL│posted at 2005-12-07(Wed)│編集
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