しゅう兄さんの臨床心理士的生活-そだちと臨床【本の紹介】-

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2006.10.28(土)

そだちと臨床【本の紹介】

今の私の仕事において、発達臨床の占める割合は、すご~く低いのですが、元々発達畑だったこともあって、ついつい買ってしまいました。

4750324167そだちと臨床 (Vol.1(2006October))
『そだちと臨床』編集委員会
明石書店
2006-10

by G-Tools


この10月に創刊されたばかりの雑誌です。編集者には川畑隆氏や大島剛氏ら、関西系(京都系?)の発達臨床家たちが多いかな?

もともと関西で発達臨床の仕事をしていた私としては、懐かしい感じのする雑誌です(そんだけ“偏り”があるってことなんですけどね)。

これからまたいろいろつくりは変わっていくのかもしれませんが、発達と言っても「発達障害学」メインではなく、本当の意味での発達臨床全般という感じです。ただ、編集者のほとんどが「児童相談所の心理職」出身のせいもあると思うのですが、「児童心理司向けの雑誌」色がちょっと強すぎるようには思いますが…。いちおう、

本誌の中心的読者として想定しているのは次の方々です。
児童・思春期・障害者福祉臨床やその近接領域に従事している各職種の方々、この分野に興味・関心をお持ちの他分野の実務家や研究者、その他の方々です。(管理人が、一部文章を省略しています)



と書いてあるのですがね…。


さて、この創刊号の中で、私が一番おもしろいと思ったのは、特集「発達相談と援助」の中の「対談 大六一志×大島剛 WISCの世界、K式の世界」ですかね。

大六氏はウェクスラー系検査の第一人者とも言える人ですね。大島氏は京都児相出身てことで、K式発達検査のスペシャリストですね。

私はですね、心理やり始めてから一番最初に現場でとった検査が、このK式発達検査なんですよね。K式は私が臨床やり始めてからの数年間で結構な数とったと思います。で、あの検査って施行の手順は決まってなければ、課題の選択の仕方も子どもの反応次第で変わってくるし、やりすぎはダメですが、追加のオリジナル課題を入れたりとかで、マニュアルは決まっていても自由度が高いという点で、大変難しい検査なのですが、なんていうか、使いこなせてくるとどんどんおもしろくなってくる“通”好みな検査なんですよね(このへんはやったことある人にはよくわかると思いますが、どうですか?)。

てわけで、私はK式フリークなわけですが、悲しいかな今の職場に来てからは一度もK式をやったことがないんですよね…。ちなみに、K式の用具すらありません。てか、発達障害を扱うことがほとんどないからなんですけどね。

で、今はというと、成人がほとんどですので、知能・発達検査ではWAISばっかりやってるんですが、これがね、どうも好きになれんのですよ…。検査そのものの完成度は非常に高いのですが、マニュアル化されすぎてて、検査の施行そのものにおもしろみを感じにくい(「感じない」とまでは言いませんが)し、ここが発達心理学ベースか、神経心理学ベースかの違いにもなるんですが、検査の課題間のつながりに乏しいってところがね、なんというかやっぱり面白味に欠けるんですよね。


そのへんのところについて、対談の中では、

(K式は)これからできなかったことができるようになってくるという視点をしっかり持ちながら、もしつまずいたり足踏みしていたら、どうしたらもう少し伸びていくのだろうかというようなあたたかい視線で子どもを見ているところから生まれてきた検査なのだろうと思うのです。(以上、大島氏)



WISCは、たとえば単語なんかでも、一応やさしいものからむずかしいものへと、難易度順には並んでいますが、それらの単語を順繰りにできていくわけではなくて、ある単語を知らないのにそれより難しいのができるなんてよくあります。みんなが通過するポイントというのがないから、そういう発達の最近接領域的な惜しいという感覚はないんです。要するに個々の問題は発達上のポイントではなく、たんなるテストの課題のひとつという位置づけですから。(以上、大六氏)



って言ってましたが、そこが寂しいんですよね…。もちろん、対談の中でも言われていたことですが、それは発達検査か知能検査かの違いであり、拠って立つ理論の違いであるので、仕方のないことなんですけどね。どちらがいいとか悪いとかじゃなくてね。

そんでもって私としては、成人の検査でもこういう発達検査的視点ってあっていいんじゃないかなあって思うんですよね。中途障害からの回復は子どもの発達と違うので見方は難しいですけどね。


あ、大六氏が対談中で言ってましたが、これからのWISCは今まで以上に神経心理学的検査を指向していく流れにあるそうで、その影響でⅣではⅢのような日本オリジナルな設問は減ることになるらしいです。文化的な影響を排除するってことらしいです。そんでもってⅣでは「絵画配列」もなくなるんだとか。神経心理学的なクオリティが高くなることも大事ではあるけど、何かますます無機質な検査になっていきそうで、個人的には歓迎できないなあ…。

話は随分それましたが、そんなこんなで、「そだちと臨床」の今後に期待ってことで。

にんきぶろぐらんきんぐです。
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│posted at 23:43:47│ コメント 11件
≫コメント 
こんばんは。
今回の日心臨のワークショップで新版K式2001を体験してきました。
できれば発達臨床の方面で働ければと思っているので、K式もやれるようになれればいいなぁと。

一応、知人の子どもで試してから参加したのですが、マニュアルがないのでとっても難しかったです。
ワークショップではロールプレイをみせてもらったのですが、こなせばこなすだけ味わい深い検査になるなぁと思いました。
慣れるまでは、使いにくそうですが…
それよりも、子どもをやっていた先生がとってもお上手だなぁと思いました。
院生は自分ひとりだけだったようで、緊張しましたが、とっても勉強になりました。

すいません、単なる感想ですが…
ちづ@院生│URL│posted at 2006-10-29(Sun)│編集
>なんていうか、使いこなせてくるとどんどんおもしろく
>なってくる“通”好みな検査なんですよね

あ! さすが、しゅうさん!なんだかすっきりしました。
K式楽しいですよね(ぇ? そういうことじゃない?

わたしはしゅうさんとは逆に、最初が成人対象メインの
ところだったので、WAISやビネーやDAM、BGTなどを
主に扱っていました。それらの検査もよいのですが、知
的にかなり重度な場合などは、検査の施行すら困難な場
合もあったので、ちょっとずつ「発達系」の検査を職場
に混ぜ込んで行き、その職場を後にした記憶があります。
(立つ鳥後を濁しまくり?)


>要するに個々の問題は発達上のポイントではなく、
>(大六氏引用)

これは・・・拠って立つ理論や背景の違いなのでしょう
が、子どもであろうが大人であろうが、(いわゆる専門
用語の)「発達の視点」というのは大事だと思うのは、
わたしが「発達屋」だからでしょうか。うむむ。

それにしても・・・、絵画配列なくなっちゃうのか。。
あの課題は、それぞれの人のユニークな側面が見える課
題だと思ってたのになあ・・・。

長文すみません。ではまた♪
moo│URL│posted at 2006-10-30(Mon)│編集
絵画配列なくなっちゃうんですか~~
好きだったのに・・・
(好き嫌いでしかものを語れない無知な私)

関係ないけど、私はちづさんを
存じ上げているような気がします。
後でメールしますので、またお手すきの時にお茶でも☆

あぁそうだ、しゅうさんmooさん、
ちづさんが私の存じ上げている方だとしたら、
相当の美人☆です。うっとりものです。
これこそホントの無関係だな・・・。
千尋│URL│posted at 2006-10-31(Tue)│編集
>ちづ@院生さん

こんにちは。はじめまして(だったですよね?)。

>一応、知人の子どもで試してから参加したのですが、マニュアルがないのでとっても難しかったです。

ん??マニュアルはいちおうあったかと思いますが、手順のもうちょっと詳しいやつがということですか?2001はどうか知りませんが、前の版のときは、別売りで、もうちょっと詳しい解説本や、反応事例集なる本が売ってました。あれは見ておいたほうがよさそうです。

>慣れるまでは、使いにくそうですが…

そうなんですよね。慣れるまでがね…。

個人的には、検査の前に、まず子どもと遊ぶことに慣れていること、そんでもって、観察しながら遊べることに慣れていき、それから、K式にたどりつくのがベターと思っていますが、なかなかそうもいきませんでしょうけどね。

>子どもをやっていた先生がとってもお上手だなぁと思いました。

あれ、うまい人は、検査もうまいんだと思います。私も別の研修会で上手い人を見たことがありますが、子どもを見る目は非常に優れた方でしたよ。

感想ありがとうございました。今後ともよろしくです☆






しゅう│URL│posted at 2006-10-31(Tue)│編集
>mooさん

こんにちは。mooさんにコメントいただけるとは光栄です。

>K式楽しいですよね(ぇ? そういうことじゃない?

いえいえ、そういうことですw

>ちょっとずつ「発達系」の検査を職場に混ぜ込んで行き、その職場を後にした記憶があります。

いやあ、いい仕事されてますねえ~。
私も今の職場には結構「発達色」を加えています。というより、検査の見方とか、課題の崩し方が発達屋さんっぽいですね。自分で思うに。基本的には、できない課題をそのままにしておきたくないので、どうやったら、それができるかというのをいちいち試してしまいます。そのへん、成人しかやったことない、STさんには感心??されてます。

>(いわゆる専門用語の)「発達の視点」というのは大事だと思うのは、
わたしが「発達屋」だからでしょうか。うむむ。

うーむ、どうでしょう…。発達屋さんしか、そう思わないとも思いませんが、神経心理屋さんは、発達屋さんに比べれば、当然のことながら、「発達の視点」は少な目なのかなという印象はあります。

>絵画配列

そうなんですよ。残念ですよ。あの課題は相当いい課題だと思うんですけど、そう思うのが発達屋さんなんだと思います。神経心理屋さんだと、あの課題はいったいどの機能をみているのか、わかりにくいんだとか(某北のほうの有名国立大研究員のお言葉)。



しゅう│URL│posted at 2006-10-31(Tue)│編集
>千尋さん

>絵画配列なくなっちゃうんですか~~
好きだったのに・・・

お、やっぱ(?)絵画配列って人気ありますねえ。私も好きです。

>ちづさんが私の存じ上げている方だとしたら、相当の美人☆です。うっとりものです。

え!そんなに美人なんですか!いやいや、それは私も是非お目にかかりたいものですよ。近ければ、私もお茶に交ぜてもらいたいもんです…。残念…。(たしか千尋さんって私とはかなり離れた地域にお住まいだったように思うので)

しゅう│URL│posted at 2006-10-31(Tue)│編集
>しゅうさん
前にどこかにコメントを残したような気がします…
本文書き直したつもりが、そのままになっていました。ごめんなさい。
マニュアルがつかいこなせなくて、というか、ビネーやWISCのような感じではなかったので、難しかったということが言いたかったです。

>千尋さん
うーん…たぶん別人では?一応性別は女ですが、この業界で知っている方は院の先生や、先輩(みんな女性)ばかりです。ごめんなさい…
念のため。私の居住地は東海です。
ちづ@院生│URL│posted at 2006-11-01(Wed)│編集
>ちづさん

結構自信あるので、まずはメールします~。
しかしメアドを発掘できない、
”片づけない女(片づけられない、ではない)”な私・・・。
てか、「ここにある」と思っていた場所にありませんでした。
少し猶予をくださいませませ。

ちづさんが私の思い浮かべている人だとしたら、
ワークショップ後半は、子ども役をやった先生のいる、
やけに参加者の居住地の偏ったグループにいらしたはずですが、
いかがでしょう。

てか、私が一人で顔を思い浮かべて
「お茶でも~」なんて言っていても、
ちづさんにしてみれば誰だか分からないし不気味ですよね・・・。
ごめんなさい。でも怪しいモノではありません。
千尋│URL│posted at 2006-11-01(Wed)│編集
>千尋さん
そうです。そのグループにいました。
わぁ、誰なんでしょう?では、メール待ってます。

>しゅうさん
なんだか、伝言板みたいになってしまってすみません…

>観察しながら遊べることに慣れていき…

ビネーやWISCを行う時も、結果を見逃さないように、次の問題にスムーズにもっていけるように、ということに気をとられて、子どもの様子を見れていないことが多いなと思います。
多いといっても大学の相談室で数例とっただけですが…

>まず子どもと遊ぶことに慣れていること

こっちは、ほどほどに自信はあるので、遊びながらの観察できる力をみにつけたいです。

>(子ども役)うまい人は、検査もうまいんだと思います

そうですよねぇ。そう言われて、あぁ!と思いました。今後ともよろしくお願いします。
ちづ@院生│URL│posted at 2006-11-01(Wed)│編集
しゅうさん、伝言板化はこれでオシマイにします。すみません。
ちづさん、先ほど携帯番号見つけたのでメールいれました☆
千尋│URL│posted at 2006-11-01(Wed)│編集
このコメントは管理者の承認待ちです
-││posted at 2007-02-04(Sun)│編集
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