しゅう兄さんの臨床心理士的生活-カウンセリング方法序説【本の紹介】-

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2006.09.20(水)

カウンセリング方法序説【本の紹介】

菅野泰蔵氏の知名度って、“臨床心理学”という学問の世界ではそうでもないのかなと思いますが(といっても、それなりに有名ですが)、一般人向けのカウンセリングがらみの本の著者としては結構有名なので、このブログをご覧の非臨床心理士の方でもご存知かもしれませんね。

何と言っても有名なのが、編著である「こころの日曜日」ですが、あーいう系の本しかないのかなと思ってたら、最近、こんなカタいタイトルの本を出されたんですよね。

4535562458カウンセリング方法序説
菅野 泰蔵
日本評論社 2006-07

by G-Tools


「方法序説」なんてタイトル、どうも菅野氏にしては随分カタいなあという印象ですが、開いてみると、やはり菅野氏らしい“ぶっちゃけた”読みやすい本です。

内容的には「方法」「序説」と書かれているとおり、心理療法の本質とか、こんなケースの時にはどうするとか、そういった話ではなく、方法論的な部分の、それも一番基本となる「話し方」と「聴き方」について書かれています。

まあでも、菅野氏の主張では、「あたりまえ」の応答ができるようになることが、カウンセリングにとって最重要であるとしているので、基本的な話し方・聴き方について論じることは序説でもあり、総論でもあるのかなという印象です。

基本理念としては解決志向のようなので、全体的にブリーフセラピー的な雰囲気ですが、ブリーフセラピーを謳っている本に比べるともうちょっとニュートラルな感じですかね。その時々でクライエントにとってベストな応答は何かということを突き詰めて考えていこうという姿勢なので、必然的にブリーフ的にはなっていますが、かといってトリッキーな応答を推奨しているわけではないし、どちらかというと分析的なオリエンテーションを持つ私でも、抵抗なく読めたなあという印象。

おもしろいなと思ったのは、第7章『身体としての言葉』の中で書かれていることなのですが、声を鍛えようという主張です。カウンセリングの本で言葉に敏感になろうっていう話はよく見かけますが、ここでは、その言葉を発する声そのものをまず見直そうという話なんですよね。私もどちらかと言えば、声のトーンとか声量とかスピードとかに気を配るほうなんですけど、菅野氏のこだわりはもっと徹底していて、彼が経営している東京カウンセリングセンターではプロのアナウンサーを呼んでボイストレーニングをやっているそうです。そこまでしなくてもと思う人もいるかもしれないですが、同じ言葉を言うのでも、耳障りの良い声であるに越したことはないですもんね。催眠もやっている私としては特にうなずける部分でした。

最終章で菅野氏は『カウンセリングと既成の心理学を切り離している』『私の持論は、カウンセリングとは学問ではないが、あえて学を名乗れば「援助学」であって、とくに心理学とは関係なくてもよいというものだ』と述べています。これには私としては反対ですが、本書の帯にも書かれている『「わかる」と「できる」の間には天地の開きがある』を強調せんがための言葉であって、菅野氏の臨床が確かな心理学的基礎に裏付けられていることは本書を読めばわかることです(菅野氏は否定するでしょうけどw)。

ってことで、そうですね、どちらかというと一度現場を経験されているくらいの人にお勧めの本ですかね。もちろん院生さんとかも読んでもらっていいですけどね。ただし字面どおりに、心理学は関係ないんだなんて思わないでいただきたいということは、一言付け加えさせていただきたいですけど。Ranking

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│posted at 07:41:54│ コメント 9件
≫コメント 
どうもpsy-pubです。

>声を鍛えようという主張
>プロのアナウンサーを呼んでボイストレーニング

HSサリヴァンのいう,verbalではなくvocal,をテクニカルに実践しちゃってるわけですね。面白いス。
psy-pub│URL│posted at 2006-09-21(Thu)│編集
初めまして。心理系大学院生のくまこと申します。
菅野先生の本は主に一般向けの方に読みやすい著書が多いですが、この本は専門よりだけどわかりやすい。前作の『カウンセリング解体新書』同様、派閥がどうという前に専門家としてあたりまえの事が出来ているか・認識しているかを再確認させてくれます。
私が『菅野派』なだけかもしれませんが(笑)、とても魅力ある本だと思いました。
くまこ│URL│posted at 2006-09-21(Thu)│編集
 どもですー!
 
 こころの科学の連載をまとめた感じですかね。彼のやっていることを心理学的に「解体」すれば解体できるような感じがします。
 
 そういう意味で彼のやっていることは心理学的基礎に裏打ちされているように思います。
ダノン│URL│posted at 2006-09-22(Fri)│編集
>psy-pubさん

どもども。

>HSサリヴァンのいう,verbalではなくvocal,をテクニカルに実践しちゃってるわけですね。面白いス。

でしょ?面白いでしょ?でも、声使う仕事なんだし、よーく考えたら、当たり前なんですけど、これが面白いと思えてしまうのが、この業界の変なところなのかなあと思ったりして。
しゅう│URL│posted at 2006-09-25(Mon)│編集
>くまこさん

はじめまして。

>専門家としてあたりまえの事が出来ているか

これが意外と難しいんですよね。どんなジャンルでも当たり前のことが一番難しい。菅野氏はさらっと書いてるけど、やっぱり難しい・・・。

>私が『菅野派』なだけかもしれませんが(笑)、
>とても魅力ある本だと思いました。

菅野派なんて言ったら、派閥っぽくて菅野氏は嫌がりそうw
しゅう│URL│posted at 2006-09-25(Mon)│編集
>ダノンさん

どもー!

そうそう、こころの科学の連載もんです。こころの科学セレクションではなく、こういう形で出版されたのは、売れそうだから??

>彼のやっていることを心理学的に「解体」すれば解体できるような感じがします。

私もそう思います。菅野氏に言わせれば、そうする必要がないってことかもしれませんが、菅野氏ほどのセンスのない人は、やっぱり心理学的に解体してからでないと、学びにくかったりしますよね。
しゅう│URL│posted at 2006-09-25(Mon)│編集
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