しゅう兄さんの臨床心理士的生活-燃え尽き症候群 2-

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2006.08.24(木)

燃え尽き症候群 2

昨日のエントリー燃え尽き症候群の続きです(昨日は深夜0時頃帰宅のため、続きを書き損ねました・・・。ごめんなさい。)。

えと、「燃え尽き」って言っても、「燃え尽き症候群」で言うところの「燃え尽き」の本来的な意味は、大きな仕事をやり終えたあとの「燃え尽き」ではなくて、自分のキャパシティを超える仕事をずーっとやり続けてきて、しまいに心的エネルギーが枯渇し、「燃え尽き」てしまうという意味での「燃え尽き」です。大雑把に言うとそんな感じです。

もともと、看護師やケースワーカーといった医療系対人援助職で問題になったものなのですが、というのは、上記のような状態で燃え尽きてしまうと、無気力になったり、うつ状態になったり、あるいは様々な身体症状が出ますが、それに加えて、今まで熱心に対象者に向き合っていた彼らが、対象者に対して、冷たくなったり、物のように扱ったりするなど、人間性を欠くような対応をとる(「脱人格化」と言います)ようになるからなんですよね。

燃え尽き症候群の研究はその後、上記の職種以外でも行われるようになり、医師、教師、臨床心理士、弁護士などのさまざまな対人援助職や、人と関わることの比較的多い事務職といったところまでが、燃え尽き症候群に陥りうると言われています。

なので、話を昨日のエントリーのところまで戻しますが、鈴木選手が「燃え尽き症候群」に陥っているなんてことはありえないわけですよ。目標を失って、無気力になっていることはありえるかもしれませんが(実際には知りません。本人と話したわけじゃないから。)、それを「燃え尽き症候群」と言うのはおかしいわけですよ。

そういうのを“専門家”がもっともらしく語るのは勘弁してもらいたいというのを言いたかったわけです。

と言いつつも、ひょっとしたら燃え尽き症候群の概念が知らない間にさらに広がっているのかなあと思い、少し調べてみましたが、うちにある本の中で燃え尽き症候群に触れているもので新しそうなんで言うと、まずこれなんかは特に概念が変わってきているような話になっていませんでした。

4571230400青年心理学事典
福富 護 高木 秀明 白井 利明
福村出版 2000-11

by G-Tools


他にも見てみてみましたが、

4335651198チーム医療のための最新精神医学ハンドブック
大野 裕
弘文堂 2006-05-13

by G-Tools


今年発売のこれには、スポーツにおける燃え尽き症候群の話が載っていました!今手元に本がないので、覚えている範囲になりますが、これは、小さい頃からスポーツの詰め込み教育をやり続けていると、燃え尽き症候群などが心配ですというような話だったと思います(家帰ってから正確な内容に差し替えます)。この話だと、脱人格化は概念の構成要件から外れるのかもしれませんが、それでも「何かを達成したあとに燃え尽きる」というのとは違いますねえ。

これについてネットで調べてみるとこんなんがありました。

スポーツおもしろ心理学 燃え尽き症候群を考える!

ちょっとだけ引用しますと、

バーンアウトとは、「長い間の目標への献身が十分に報いられなかった時に生ずる精神的・情緒的・身体的疲弊状況」と考えられている。燃えつきる選手の多くは、

(1) 競技での成功経験→
(2) 熱中:競技に熱中・没頭した時期がある→
(3) 停滞・低下:ケガ、記録の停滞等による自己の成績への不満→
(4) 固執・執着:それでも競技に打ち込み続ける→
(5) 消耗:情緒的ストレス反応(不安感、イライラ感、悲哀感、自尊心の低下)、心身症的反応(息切れ、胃腸障害、不眠、高血圧)、対人関係の悪化、等の顕在化→
(6) バーンアウト

、といったプロセスを経ることが知られており(中込・岸、1991)、各段階での兆候を見逃さず対処することが重要である。そのためには、トレーニング日誌の利用、心理検査等を利用しての定期的な心理的コンディションのチェック、スポーツ心理学者等による専門的サポート体制の充実、等が求められる。



ふむ。なるほど。よーく見ると、「対人関係の悪化」なんてのも混じってますので、症状としては従来の「燃え尽き症候群」とそんなにかけ離れてはいないですかね。

というわけで、やっぱりどれを見ても、「長い間の目標への献身が十分に報いられなかった時に生ずる」という部分ははずせないようですね。そりゃそうですよね。そこが変わると、概念が180度変わってしまいますからね。

ただ、どうも世間的には「目標を達成したあと」という話がまことしやかに流れているようで、ネット上では“専門家”もそういうことを言ってるようなんですよね。

たとえば「メンタルタフネス」で転職に克つ! - 毎日キャリアナビでは、

燃え尽き症候群は、もともと看護職や福祉職、教師などの対人援助職(誰かをサポートし続けるような職)に多く見られたものなのよ。献身的に一生懸命働いていた人たちが、今まであった目標を失ってしまったときに、突然無気力状態になってしまうことが多かったから、「燃え尽き症候群」と名づけられたの。最近では、対人援助職のみならず、他の職業においても同様の症候群が見受けられることも多くなってきたから、“大きな仕事をやり遂げた後に生じる疲労感や無気力感”なども燃え尽き症候群に含め、広い概念として考えられるようになったわ。



って、臨床心理士のリコさんという方が書かれていますが、「“大きな仕事をやり遂げた後に生じる疲労感や無気力感”なども燃え尽き症候群に含め、広い概念として考えられるようになったわ。」って、どの文献でもまだ見たことがないのですが、どこで考えられてるんですかね?私の探し方が悪いんでしょうか?

まあ、仮にどこかで概念を広げようという動きがあったとしても、元の概念と根本的な部分が変わりすぎるので、個人的には反対ですがね。

と、だんだんまとまりがなくなってきましたが、えーと、何を言いたかったんでしたかね…。

たしか、「専門家が専門用語を使うときにはちゃんと使ったほうがいいよね」ってことと、「有名人とは言え、会った事もない人に適当な言葉でレッテルを貼るのはやめようよ」ってことでしたかね。

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│posted at 12:45:50│ コメント 3件
≫コメント 
なんか「荷下ろし鬱」とごちゃ混ぜにされてるんですかね?あー、鬱までは行かないのかな?言うならば「荷下ろし心身症」とか「荷下ろし適応障害」なんて言語新作してみたりして。
素人からすれば燃え尽きのほうがしっくり来るんだろうなー。字面もカッコいいし。でも玄人が間違えちゃイカンですな。
名無ぷし医さん│URL│posted at 2006-08-24(Thu)│編集
>名無ぷし医さん

コメントありがとうございます。

>なんか「荷下ろし鬱」とごちゃ混ぜにされてるんですかね?

あー!思い出しました!そんな言葉ありましたねえ。おっしゃるように、そちらに近いですよね。

>「荷下ろし適応障害」
ものっすごい、語呂が悪いですけど、意味的にはそんな感じですよねw

>でも玄人が間違えちゃイカンですな。
まったくそのとおりです。専門家の言葉には良くも悪くも重みがありますからねえ。ネット上でも責任持って使ってもらいたいもんです(とか言うと、自分の首を絞めてる気分になってきますが・・・)。
しゅう│URL│posted at 2006-08-24(Thu)│編集
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-││posted at 2006-08-31(Thu)│編集
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