しゅう兄さんの臨床心理士的生活-妄想はどのようにして立ち上がるか【本の紹介】-

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
│posted at --:--:--│
2006.07.25(火)

妄想はどのようにして立ち上がるか【本の紹介】

先日のエントリー妄想の中で掲載したこの本、読み終わりましたので、ちょいと紹介。

4623046257妄想はどのようにして立ち上がるか
P. ガレティ D. ヘムズレイ Philippa A. Garety
ミネルヴァ書房
2006-06

by G-Tools


まず表紙に記載されているこの文章が興味を引きます。

被害妄想、関係妄想、非影響妄想、誇大妄想、微小妄想などなど誰にでも妄想は現れます。それを訂正できなくなれば、精神病と診断されます。妄想を統計的に、実験的に読み解き、考察を重ねる推理小説のような冷静で知的な心理学



冷静で知的な心理学・・・。どっちかって言うと、普段“臨床バカ”な私には魅力的な響きです。

さて、内容ですが、前半は妄想の定義や、妄想発生の仕組みなどの先行研究が紹介されており、後半ではベイズ統計学にもとづく確率推論課題を用いて、妄想を持つ人の推論の特徴や、信念の形成と変化についての、新しいモデルが提示されています。

統計学とか確率推論課題とか、文系の人にはちょっとアレルギー反応を起こしそうな言葉が並んでいますが、それ自体はそんなに難しい話ではないので、心理学をそれなりに学んでいれば十分理解可能です。

不勉強な私的には、いろいろと考えさせられる内容でしたが、まず妄想は単純に「あり」「なし」だけでは捉えられないという部分。「妄想・幻覚は連続変数と考えるべきであり、症状ありと症状なしを両極とする連続体として考えるべきである」と書かれていましたが(これは先行研究レベルでの話なんですが)、これなんかは自閉性スペクトラムの考え方に似てますよね。教科書レベルではまだそういう考え方は提示されていないので、新鮮に感じました(私だけ?)。

確率推論課題における健常群と妄想群の比較も非常に興味深いものでした。妄想を持つ人の特徴の一つとして、ちょっとした証拠をもとにして「結論への性急な飛躍」がみられるというのがあるのですが、実験結果では、妄想群のほうが確率論的には合理的な判断をしており、健常群のほうがむしろ非合理的な慎重すぎる判断をしているということが示されていました。こういう発想はなかったので、これもなかなか新鮮でした。

その他にもなるほどなあと思わせる話が満載でしたよ。もともとが博士論文をもとにして作られた本なので、文献もたくさん紹介されており、妄想の研究をしたい人には特におすすめです。

治療についてはほとんど書かれていませんが、治療について考えるんだったら、まずはこれを読んでおくべきでしょうね。

てわけで、みなさまもどうぞ!

その他の日記・雑談系ブログはこちら!
スポンサーサイト





│posted at 23:59:43│ コメント 0件
≫コメント 
≫コメントを書く







 削除や編集のときに必要です。
管理者にだけ表示を許可します。
千客万来





人気Blogランキング
参加しています。1日1回
クリックしていただけると、
大変ありがたいです。







成分分析



 
宿泊ならこれが便利

















 
交通機関はOK?



 
最新記事とコメント

最近のコメント

 
本と言えばやっぱり

 
最近のトラックバック

 
ページランキング

 
ブロとも申請フォーム
アクセス解析 アクセスランキング

ランキングブログ医療介護
BBS7.COM
MENURNDNEXT
Back
Next
Random
List
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。