しゅう兄さんの臨床心理士的生活-守秘義務とブログ 2-

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2006.07.24(月)

守秘義務とブログ 2

ってことで、先日のエントリ守秘義務とブログの続きを書こうと思ったのですが、突然用事を思い出したので、それが終わってから、続き書きます。


45分後・・・


はい、用事終わりましたので、続き書きます。

先日のエントリー守秘義務とブログに、夜の番茶さんからTB(エントリー「臨床心理士の守秘義務」)をいただいていたのですが、その記事のコメントに私が

「第三者に個人が特定されるような情報」に関しては守秘義務がかかるのはわかりますが、本人にしかわからない情報ってのは法的に守秘義務の対象となるんですかね?



と書いたところ、

個人情報というのはクライエントさんの側からの定義ではなくて(すなわち、「患者さんにとって高度な個人的情報」とかそういう定義ではないということ)、情報を手に入れた者の側からの定義(医師法では「業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密」とされていますね)ですよね。だから、クライエントさんだけが気づくのか、それともクライエントさんの家族くらいなら気づいちゃうのかみたいなクライエント側の事情は法的にはポイントにならず、前述のポロリ行為は完全にクロであろうと思います。…ということをココで答えていいものか分からんのですけど。



というご意見をいただきました。あ、ちなみにこの話は「臨床心理士」についての話ではなく、医師や看護師といった守秘義務が法的に規定されている国家資格の話をしています。

えと、ごちゃごちゃしてわかりにくくなってきたので、というか、流れを見てないとわからないと思いますが、ようするにですね、

例えば、医師が患者さんの個人的な情報に関して、ブログに書いた場合、いくら名前を隠して誰のことだかわからないようにしたって、業務上知り得たことを晒している以上、法的にアウトになる

ってことですかね。 >合ってますか?夜の番茶さん


私自身は別に国家資格持ちではないし、そもそもカウンセリングの内容をここに書くつもりもないので、どーでもいいと言えばどーでもいいんですけど、「今日、こんな患者さんがいました♪」なんて感じで診療内容を晒してブログって結構見かけるので、それってみんな法的にはアウトになるのかなあと思って、ちょいと調べてみました。

まず、医師の守秘義務はこちらで規定されています。

刑法第百三十四条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。



やっかいなのが、この文章。

その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたとき



句読点をあえて(?)つけずに、解釈を多義的にするのが、法律の条文らしいですが(法学部卒の友人談)、私がアホなのか、これでは具体的にどんな状況をさしているのかよくわかりません。

ちなみに個人情報保護法はわりとわかりやすいです。個人情報についてきちんと定義されています。

第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。



これならよくわかります。この場合、特定の個人を識別できなければ、保護の対象となる「個人情報」とは言わないということですよね。

私は、医師等の守秘義務に関する法律(刑法第百三十四条)で言うところの「人の秘密」ってのもこの「個人情報」と同じ定義なのかと思っていたのですよね。てわけで、さらに調べてみました。あ、それと先に言っておきますが、私は法律に関してはド素人です。なので、あったりまえのことを今さら書くかもしれませんし、書いたことがあってるかどうかも保障できないということをお心置きください。

まず、刑法第百三十四条ですが、これは、「秘密漏示罪」という名前の法律なんだそうです。そんでもってこれは、「親告罪」なんだそうです。

親告罪っていうのはですね、

告訴がなければ公訴を提起することができない罪をいう。告訴を欠く公訴は、訴訟条件を欠くものとして判決で公訴棄却とされる。(親告罪 Wikipedia



ということらしいです。そんでですね、この「告訴」ですが、これは「告訴権者」でないとできないらしいです。

告訴権者は、被害者(刑事訴訟法230条)、被害者の法定代理人(同法231条1項)などである。



ってことはですね、この時点で、少なくともブログで個人的な話をばらされた場合、ばらされた本人かその法定代理人が訴えない限り、罪にはならないってことみたいです。この点、職能団体独自の守秘義務違反なんかとは違いそうですね。多分、あれは被害者以外がチクって、違反が確認されれば、何らかの処分ってありますよね?(そんなことも書いてあるわけではありませんが)

あとは、「秘密を漏らす」ってのがどういうことを指すのかですが、これはうまく見つけられませんでした。

【第134条(秘密漏示)】
■保護法益
個人の秘密

他人の秘密を知っている者が本人以外の者に漏らす行為を処罰するもので、守秘義務違反の罪といえます。
本条の罪は、主体が、条文に列挙されている、依頼者との信頼関係に基づいて、人の秘密に接する機会の多い職業に従事する・かつて従事した者に限定されており、業務上、取り扱った事項について知りえた人の秘密でなければなりません。(リコー・ヒューマン・クリエイツ株式会社



う~ん・・・、どうだろ?素直に読めば、やはり氏名とかが特定できるような状態で本人以外の者に漏らす行為のように思いますが・・・。法律に詳しい人いたら、この点だけ教えてくださいな。

ちなみにいろいろ調べている最中見つけたのですが、臨床心理士でも精神科病院に勤めている人の場合は、これに引っかかりそうです。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第53条 精神病院の管理者、指定医、地方精神保健福祉審議会の委員若しくは臨時委員、精神医療審査会の委員若しくは第47条第1項の規定により都道府県知事等が指定した医師又はこれらの職にあった者が、この法律の規定に基づく職務の執行に関して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 精神病院の職員又はその職にあった者が、この法律の規定に基づく精神病院の管理者の職務の執行を補助するに際して知り得た人の秘密を正当な理由がなく漏らしたときも、前項と同様とする。



どうやら、かなーり重い罪になるようです。

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│posted at 23:56:37│ コメント 3件
≫コメント 
大々的に取り上げていただいて恐縮です。
これで大幅に違ってたら恥ずかしいですが…

私が書いたことに対する解釈は、しゅうさんがお書きになっているとおりです。

あ、ちなみに私が書いている「個人情報」というのは、個人情報保護法で定められているところのそれではなくて刑法134条に言うところの「…人の秘密」ってやつのことです。紛らわしくてすみません。

個人情報保護法の「個人情報」と刑法の「秘密」が同じものかどうか議論することにはあまり意味がないのではないかと思います。
厳密に言えば「個人情報」が「秘密」を包摂しているのだと思いますが。

個人情報保護法は、IT社会の発展にともない個人情報が悪意によって容易かつ大量に漏洩する事態を想定しつつ、従来の法律でカバーできない部分を包括するために、かつ、そのような大量の個人情報を完全に秘匿することで生じうる不利益(たとえば、研究目的の場合とかね)とのバランスをとるために作られたというのが立法趣旨ですよね。
だから親告罪なんていうめんどくさい縛りははずしたり、5000件以上の情報を扱う事業者を対象にしているわけです。

一方、刑法は資格の特殊性に着目した条文になっています。

2つの法律の定義の違いを探して「刑法ではセーフだけど個人情報保護法ではアウト(ないしその逆)」みたいな事例を探すこと(定義の違いが意味を持つとしたらそういう場合ですよね?)は無駄かなと。
実務上、そういうことが起こらないために新しく法律ができたのですから。

秘密漏示の要件は
「非公知性(一般に広く知られていないこと)」
「秘匿の意思(秘密を持つ人が、それを隠したいと思っていること)」
「秘匿の利益(秘密を持つ人がそれを隠すことによって利益があること)」
です。
だから、繰り返しになりますが「(知りえた秘密を)どういう状態で」漏らすか、ということは関係ないかと思うのですが。

それから、相手は「本人以外」で合ってますが、「不知の者」であることが必要です。
つまり、すでにその秘密を知ってる人に漏らしても罪にはならんということ。

私も法律は学部でやっただけなのでアヤシイもんです。臨床心理学を学部で学んだからと言っても大して語れることがないのと似たりよったりです。
間違っていたらぜひともご教授いただきたく。




夜の番茶│URL│posted at 2006-07-25(Tue)│編集
 お邪魔します。

 トラックバックをさせていただきました。

 駄文ですが、特にセラピストに限定して守秘義務をちょこっと摘んでみましたので、よろしかったら遊びに来てください。
ダノン│URL│posted at 2006-07-25(Tue)│編集
>夜の番茶さん

長文コメントありがとうございますm(_ _)m

法律に関しては勉強したことなど一度もないので、もう本当に訳わかってなくて申し訳ないですが・・・、

>厳密に言えば「個人情報」が「秘密」を包摂しているのだと思いますが。

ってことは、「個人情報」が上位概念で「秘密」が下位概念ってことですよね?てことは、「秘密」のほうが狭い概念ってことですかね?私はひょっとして逆なのかなあと思っていたのですが・・・。

>2つの法律の定義の違いを探して「刑法ではセーフだけど個人情報保護法ではアウト(ないしその逆)」みたいな事例を探すこと(定義の違いが意味を持つとしたらそういう場合ですよね?)は無駄かなと。
実務上、そういうことが起こらないために新しく法律ができたのですから。

となると、「氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別すること」が出来ない限り、個人情報保護法ではアウトになりませんから、もちろん秘密漏示罪も成立しないってことにはなりませんかね?

なので例えば、精神科医が匿名のブログで、

「私の患者さんの中に少年院に入ってたことがある人がいるんですが、彼はその事実を今の家族には内緒にしてるらしいです。」

と書いたとしても、秘密漏示罪にはならないと思うんですけど・・・。学会の守秘義務には違反しているし、倫理的にもどうかと思いますがね。
※上の例はもちろん架空のお話ですが。

>繰り返しになりますが「(知りえた秘密を)どういう状態で」漏らすか、ということは関係ないかと思うのですが。

それはもちろんそうだと思いますが、そもそも誰のことかわからんような話が「人の秘密」といえるのかどうかというところが私敵には疑問点なわけです。
しゅう│URL│posted at 2006-07-26(Wed)│編集
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