しゅう兄さんの臨床心理士的生活-聴覚障害と心理臨床-

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2006.06.25(日)

聴覚障害と心理臨床

先日、ちょっと聴覚障害について調べていたのですが、聴覚障害に関する心理学の文献って他の障害に比べるとびっくりするくらい少ないんですよね。まして、臨床心理学となると、ほとんどない・・・。

でも、聴覚障害者の数って国の発表では35万人くらいいるんですよね。軽度の難聴者を含めると5,600万人もいるんだとか・・・。それだけいれば、臨床心理学的な援助の対象となる人も相当数いると思うんですけど、いかんせん、音声言語が主要な武器の心理療法ではどうにもならないんですよね。

うちにもたまに手話を第一言語としている聴覚障害者の方が入院してこられますが、やっぱり手話じゃないと細かなやりとりまではできないんですよね。事務的なやりとりなら筆談でも問題ないですが、感情とかはうまく伝わらない。

とりあえず、何にも知らなかったので読んでみたのが、このあたり。

4924339725聴覚障害の心理
中野 善達 吉野 公喜
田研出版 1999-04

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これは、臨床心理学ではなく、いわゆる心理学の本です。聴覚障害者(児)の認知機能の発達とか、言語発達とか、あるいはパーソナリティの発達とかについて書かれています。ただ「聴こえない」というだけではなく、発達全般にやはり特徴が出てくるんですね。

あ、読んでて思ったのですが、この本の趣旨とは外れるのでしょうけど、聴こえない子どもの発達を考えることで、発達心理学そのものの理解も深まる気がしました。

4535560749聴覚障害者の心理臨床
村瀬 嘉代子
日本評論社 1999-09

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村瀬先生ってなんでもやってるのね・・・。と思ってたら、別にもともと聴覚障害者の心理臨床をやってたわけではなく、学会自主シンポで指定討論者として出てくれと言われたのが始まりだそうな。

読み物的な本なので、臨床心理学という感じではないけど、自身が聴覚障害者で「ろうあ者相談員」をされている方の自分史的な振り返りや、日本で唯一、聴覚障害者の精神科専門外来をやってる琵琶湖病院の精神科医と心理士の話なんかも載ってて雰囲気をつかむのには良かったです。

4535562253聴覚障害者への統合的アプローチ―コミュニケーションの糸口を求めて
村瀬 嘉代子
日本評論社 2005-11

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そんでもって、すぐに臨床実践に移せるのが、さすが村瀬先生ですな。相互似顔絵スケッチ法なる方法や、筆談、身振りなどを使いながらのアプローチが紹介されています。余談ですが、本の口絵に実際の相互似顔絵がカラーで載ってるのですが、村瀬先生って、絵描くのお上手なんですね。私ではちょっと無理かも・・・。

ちょっと勉強したくらいでは、まだまだ何にもわかりませんが、

印象に残ったのがこの話。

かのヘレン・ケラーは「聴覚障害と視覚障害をいずれか一つ選ぶとしたら、どちらを選択するか」と聞かれ、即座に「視覚障害を」と答えたと言うが、聴覚の障害とはコミュニケーションの障害であり、極めて重篤な障害である。



私は、文章読みながら、最初「聴覚障害だろ?」っと思ったのですが、それは、認知心理学だかなんだかの中で人間は外界の情報を取得するにあたって、70%だか80%だかを視覚情報に頼っているっていうのがあったのを思い出したからなんですけど、よく考えれば、たんに情報量が少なくなることと、コミュニケーションが不十分になることであれば、当然後者のほうがきついですよね。もっともどちらもきついことには変わりないですがね。

聴覚障害を考えることは、聴覚障害者に関わらずとも、いろいろ考えさせられますよ。皆さんも機会があればどうぞ。

6/25 11時時点で「77位」。さて、今は・・・?
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│posted at 11:33:54│ コメント 2件
≫コメント 
昔探し物をしてる途中に見つけた文献↓
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=Abstract&list_uids=10188699&query_hl=6&itool=pubmed_DocSum
子どもが対象ですけど。Practitioner reviewなので役に立つかもしれません。
izugaeru│URL│posted at 2006-06-25(Sun)│編集
>izugaeruさん

情報ありがとうございます。

>子どもが対象ですけど。

調べてたのは、子ども対象だったので、ちょうどいいです。さっそく読んでみたいと思います。
しゅう│URL│posted at 2006-06-26(Mon)│編集
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