しゅう兄さんの臨床心理士的生活-心理カウンセラーの開業【本編】-

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2006.06.09(金)

心理カウンセラーの開業【本編】

さて、昨日の予告どおり、開業について思うところをたらたらと書いてみたいのですが、なんだかこの議論も収束しつつあるので、蒸し返すようでいささか恐縮ではあります。まあ、私が自分の意見を勝手に書くだけなので、別に議論しようとかいうことではないということを先にお断りしておきます。

昨日のエントリーでも書きましたが、元ネタはLIFE IS NOT ENOUGH. Shit!!!!さいころじすと日記ロテ職人の臨床心理学的Blogをご参照ください。

あ、それとわからない人もいらっしゃると思うので、先に書いておきますが、開業って言うのは、たとえば、「○○心理相談室」みたいな、心理カウンセラーが個人で経営しているものを指しています。他にも、そういうオフィスをもたずに訪問カウンセリングをやってたり、企業からの請け負いで仕事をしてたりというのも開業には含まれます。ようは組織に所属せずにやってるものを指しています。(←私的定義ですので、正式には違うかもしれませんが。)

ではでは、いってみますね。

1,開業は特別なもの?

「特別」というのを、臨床そのものの難しさという点で考えれば、他の領域(医療・教育・産業・福祉などなど)と変わらないと思います。治療構造の違いということであって、それぞれの領域にはそれぞれの難しさが伴いますので、開業だけが特別難しいとは思いません。

では別に開業は特別なものではないのかと言えば、そうは思いません。開業だけが唯一他の領域と異なるのは、他者の目が行き届かないということかと思います。他者の目が行き届かないということは、妙なことになってても気付かれにくいということです。もちろん、医療とか教育とかであっても、気付かれないことはあるかもしれませんが、開業に比べれば随分マシです。

不幸にして能力の低い人、ちょっと変わった人が臨床に携わっているとして、病院や学校ではたとえ一人職場であったとしても、妙なことになっていれば、誰かに気付かれて、注意を受けたり、干されたり、クビになったりすることもあると思いますが、開業ではクライエントがどこかに訴えていかない限り、気付かれない。そして、クライエントは自分に不利益な心理療法が続けられていたとしても、必ずしもそのことに気付くとは限らないし、気付いても訴えて出られないかもしれません。病院や学校でも、密室で行われている心理療法の場合、クライエントが当該機関のなかの誰かに訴えない限り、明らかにはなりませんが、主治医や教員に訴えることは、開業臨床家の心理療法を受けているクライエントが職能団体や裁判所に訴えてでることに比べれば格段に容易なことです。

たとえば心理療法を受けていることで、どうも余計に調子が悪くなっているような気がしたときに、「なんかこれはよくない気がする。でも、先生(セラピスト)は『よくなる過程にはつきものです。ここでやめればあなたは一生苦しむことになる。私を信じなさい。』って言うし、どうしよう・・・。」みたいな状況があったとします。これってすごく悩みますよね?こう言われてしまうと、やめるにやめれないですよね。そして、これが開業心理士に言われたことならば、なかなかこれについて誰かに相談することもできないと思います。これが病院や学校であるならば、絶対相談できるとは言いませんが、当該の心理士を知っている人達(主治医や教員)とも会う機会は多いので、そのときに、ちょっと話してみることはまだしやすいと思います。

あと、こういうかなり積極的に問題を起こしているような状況でなく、クライエントに何か問題が起こった場合、開業以外の領域だと、心理職でなくとも他職種がフォローしてくれることも、多かれ少なかれ経験することかと思いますが、開業ではすべて自分で解決していかなければなりません。そういう意味では難しいともいえると思います。


2,どんどん開業することには反対?

開業には上述のような“難しさ”や“特殊性”があり、相当な実力がなければクライエントに迷惑をかけることは必至ですので、お勧めはしませんけど、規制するというのも実際には大変難しいので(規制する基準が作れないから)、それなら職能団体が開業のお世話をきちんとすべきかと思います。今は、開業の研修と、損害賠償保険くらいですか?他になんかありましたっけ?心理士会がなにやら方針とかを出しているとかも聞きましたが、基本的には放任ですよね?

医師の話になりますが、東京都医師会ではこんなことをしているそうです。東京都医師会:医師会員のみなさまへ 開業支援 下記に一部抜粋します。

 東京の診療所の開設者が高齢化し地域の医療の要求に応えられないケースもかいまみられます。開業希望会員にとって信頼できる相談窓口の開設・開業に要するコストの適正化・地域医療の考え方の徹底・開業に必要なマニュアルの作成・優良なコンサルタントの紹介などを行います。



医師の開業に比べて利鞘の少ない心理屋さんの開業では、コンサルタント業は成り立たないでしょうから、この部分をたとえば「スーパーバイザーを紹介する」というような形にしてもいいですけど、とにかく“ちゃんと開業させる”ことにもうちょっと力を入れてもいいのかなと思います。


3,臨床心理士の開業推進は、エセカウンセラー(エセラー)を排除することになるのか?

多少はそういう効果も期待できるとは思いますが、エセはとにかくどんな手段を用いてでも集客するということをやるでしょうから、よほど有能な臨床心理士がどんどん開業していったとしても、集客力ではかなわないのではと思います。そして、一度集客してしまえば、それを離さないスキルというのも実は持ってたりするんだろうなあと思います(このへんは私の推測も含みます)。

喩えるなら、宗教において、ちゃんとした宗教団体がいかに精力的な布教活動をしていても、カルト的な新興宗教団体が次々に現れて、一向に排除できないというのと同じかなあと思います。

カイロプラクティックなんかは心理カウンセラーと似たような状況で、国家資格がなく、きちんとした団体もある一方、エセカイロプラクティシャンを養成する学校もわんさかあって、一向にエセカイロプラクティシャンは減らない。そして、まともなところは誇大広告をしないけど、エセは誇大広告をするので、集客力も高い。もちろん、長期的にはまともなところもクチコミで集客はアップするけど、それでもエセは暗躍し続ける・・・。


4,ではエセラーを排除するために何もできないのか?

ひとつには法律による規制でしょうけど、名称独占の国家資格ですら、成立が極めて難しい状況を鑑みれば、法律による規制はまず無理でしょうね。

じゃあ、どうすればいいか?私は臨床心理士会(別に臨床心理士会だけがすばらしいとは思いませんが、他にまともで有力な職能団体がないので)が、もっと広報活動に力を入れるべきではと思います。臨床心理士の社会的知名度向上のために、バーンって全国ネットでCMうつとかね。「カウンセリング受けたければ、お近くの臨床心理士のいるところへ」みたいなね。えっ?「そんなお金がどこにあんねん!」って?まあ、ないですよね。だから、これをやろうと思えば、会員の追加負担は免れませんが、それくらい出してもいいでしょ?え?イヤって??

他には、臨床心理士会主催の一般向け講演会を多数開催して、その中で“エセラー被害防止”のためのお話も混ぜていく、そんでもって、これをマスコミにも取り上げてもらう。そうでなければ、ニュースの中の特集とかでエセラー被害の話を取り上げてもらうとかね。会員1万5千人くらいいるんだから、マスコミへのコネだってそれなりにあるでしょ?無理ではないと思いますけどね。

やはり、エセラーを排除するために多少の犠牲はやむを得ないとは思えないので、とにかくクライエントとは直接関係のない何らかのやりかたで、エセラー排除に効果的な方法を考えていくべきかと思います。

ついでに言うと、「Web版 臨床心理士に出会うには」だって、もっと利用者を増やす工夫をすれば、エセラー排除に一役買うことができるんだから、もっと頑張ってもらいたいもんです。SEO対策がほとんどなされていないのはどういう了見ですか? >臨床心理士会&創元社様


久々のまともエントリーですが、ランキングもよろしくです
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│posted at 23:59:01│ コメント 9件
≫コメント 
TBありがとうございます。それから先日はすいませんでした。つい感情的にリコメントしてしまいました。

広報活動を盛んにするというのはまったく同感。製薬会社がやっているような「うつ」や「社会不安障害」の啓発CMのような感じでやってくれるといいかなと思います。

まあ、それ以前に、もっとWebをきちんと作って欲しいところ。全国にしても地方にしても心理士会のページは素人のつくりですよ。
エセラーの相談室のHPの方がきちんとデザインされてますよね。
takashi│URL│posted at 2006-06-10(Sat)│編集
>takashiさん

>つい感情的にリコメントしてしまいました。

いえいえ、間の悪いところでコメントしてしまいましたのでね(^^;)
でも、あの議論はとても興味深いものでしたよ。

製薬会社と違って、臨床心理士会そのものは営利団体ではないので、資金面できついだろうなあとは思いますが、全国ネットでのCMはかなり効果ありますからねえ・・・。「社会不安障害なんでしょうか?」と言って、相談に来る人がめちゃ増えました。
しゅう│URL│posted at 2006-06-11(Sun)│編集
TBありがとうございました。
臨床心理士会が云々、というのも当然アリなんですけど、やってくれない限り、こちらで対処するしかないんですよね。
でも、どうやって“エセ”じゃないようにしていくのか、また力量は別としても、ちゃんと採算ベースに乗せられるのかどうか、まだまだ課題が多いと思っています。
へなちょこ心理士│URL│posted at 2006-06-11(Sun)│編集
>へなちょこ心理士さん

こちらこそ、勝手にTBさせていただきまして、どうもです・・・。

>ちゃんと採算ベースに乗せられるのかどうか、まだまだ課題が多いと思っています。

そうなんですよね。採算がとれておらず、相談室を維持するために、SCをしたり、非常勤講師をしたりという方もちょいちょいお見かけします。

開業心理士の方の中には“一人開業”というスタイルにこだわってられる方も多いようですが、それで採算をとろうと思うと、かなり高めの料金設定にするか、労働時間を相当長くするかしないと無理なんですよね。

なので、採算ベースに乗せようと思えば、何人か心理士を雇う必要があると思いますが、そうすると、人事管理、組織運営のセンスや知識も必要になるし、開業するまで一人職場で心理室に篭って仕事をしていたような人にはかなり難しいでしょうね。

私自身は別にしてもらいたくはないですが、このへんの支援というかコンサルテーションをもうちょっと心理士会がしてもいいのではと思っています。

p.s.リンク張らせていただきますね。問題があればおっしゃってください。
しゅう│URL│posted at 2006-06-11(Sun)│編集
こんにちは、しゅう兄さん。
医療にかかわらず、あらゆる分野で エセは活動していることと思います。
人間の「勘」が、それを察知するのではないでしょうか??
「勘」はかなり当たるものだと感じています。湯水のようにお金を使ってきても「あ・・・!ん・・・?」と気付いて、関係性を断ち切れる人はたくさんいると思います。
ただ、鬱病など器質的な病気は別として、「心」を扱う医療とのグレーゾーンにある分野(ここでは心理カウンセリング)の場合、クライエントがどうしてもフェアな立場ではないです。
偏見、というには簡単すぎますが 臨床心理士がどうしても「まともである」と見られますから(まともであって欲しいという願望か?
)。
なにか問題が個人レベルで起きてしまったとして、第三者に相談しても クライエント側の性格、生い立ち、社会的立場を負のものとして片付け、スルーされてしまうのではないでしょうか・・・。世間的によっぽどの事件なら分かりませんが、ひとりびとり個人的な危機は カウンセリングの数だけ たくさん た~くさんあるはずです。
心が弱っていても「この臨床心理士と合わないナ」、「この人変だナ・・・」等の「勘」はあった、でも「断ち切らずにきた自分が悪かったんだ」、と悶々とするしかないっていうか。「勘」は自分だけのもの、本能、だから、心理士を批判するには あまりに曖昧な個人的証拠なのです。で、怒りを吐き出すよりも 自分自身で反芻する場合が多いのではないでしょうか。
「しゅう兄さんは個人的に 有名臨床心理士のエセっぷりをご存知ではないですか?」
「有名だけど、業界ではスッゴイ評判悪い。犯罪者並みよね~~とか、ありませんか??」
あるでしょうね・・・。
一般人である私達は、「勘」は侮れないワ・・・、と経験していく事になるのでしょう。分かるまでは繰り返し それが カウンセリングサーフィン人間と呼ばれてしまうのも 仕方ないのかな~~。
臨床心理士会は大丈夫なんですか~~?エセ臨床心理士を見ないふりしているような気がする。。。。





アトム(仮HN)│URL│posted at 2006-06-15(Thu)│編集
>アトム(仮HN)さん

おっしゃるように、「勘」は働くでしょうねえ。でも、エセカウンセリングを受けてしまった時点で、どんなに早く勘が働いてやめたとしても、時間とお金を浪費する上に、問題が悪化したりすることもあるわけですから、事前に“そこそこマシ”なところを選べるようにはなったほうがいいんだと思います。

>「しゅう兄さんは個人的に 有名臨床心理士のエセっぷりをご存知ではないですか?」

臨床心理士限定で言うと、そこそこ有名な人で“エセ”とまで言える人はないですね。

>臨床心理士会は大丈夫なんですか~~?エセ臨床心理士を見ないふりしているような気がする。。。。

大丈夫かと言われれば、なんとも言えない部分もありますが、いちおう一定のレベルの試験をしているので、一定の知識はあると思います。たとえば、統合失調症のクライエントを見て、「病気だと思うから、病気になるんだ!」とか言ってしまうほどのエセは臨床心理士の中にはいないでしょう(多分、いやきっと)。

あと、エセを見てみないふりというか、なにせ人数が多いので、エセでも見つかっていない人ってのはどこかにいるのかもしれませんが、倫理規定に抵触することが判明したりすれば、資格の取り消しということは行われています。
しゅう│URL│posted at 2006-06-18(Sun)│編集
最近怖いものを見てしまいましたのよ。
開業しようと思ってるとおっしゃるカウンセラー様(無資格)、統合失調症のメカニズム、全然ご存知じゃないの。クライアントさんに迷惑どころの話じゃございませんわ。
サラ│URL│posted at 2006-06-28(Wed)│編集
>サラさん

>クライアントさんに迷惑どころの話じゃございませんわ。

いや、まったくそのとおりで…。
せめて、臨床心理士有資格者にそのような輩が出ないことを祈るのみです。

ちなみに、その統合失調症を知らないというエピソードと似た話で、発達障害を知らないというのもよく聞きますが、悲惨ですよ…。
しゅう│URL│posted at 2006-06-28(Wed)│編集
相変わらずだな。(呆れる)
開業ということを何も知らないくせに、知っているつもりで書いている。
どいつもこいつもだ。

無知は本当にヤだなあ。
ここまで来ると罪だよね。

机上の空論、ここにあり!!
傍観者│URL│posted at 2006-10-09(Mon)│編集
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