しゅう兄さんの臨床心理士的生活-UFOのニュースから思ったことの続き-

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2006.05.10(水)

UFOのニュースから思ったことの続き

昨日のエントリUFOのニュースから思ったことの続きです。未読の方はそちらからどうぞ。

病院でのお話の前に、“証拠”とかなんとかとかいう言葉を見てて、先に連想するのは、司法のお話ですね。

司法の世界に「UFOが存在する証拠がない」というのをあてはめると、こんな話になりますかね?

「被告が犯人であるとする証拠がない」

この文章の意味するところは、「被告が犯人とは言えないが、被告が犯人でないとも言えない」ってことですよね?

UFOの場合は、そのままにしておいていいというか、そのままにしておくしかないわけなんですけど、裁判においてはそうはいきません。有罪か、無罪かどちらかにしなければなりません。そして、この場合どちらにするかは原則として決まっています。

もちろん「無罪」です。

いわゆる、「疑わしきは罰せず」って原則ですね。罰してしまえば、取り返しがつかないわけですから、この原則は当然といえば当然でしょうねえ。

さて、本題になりますが、病院でよくこういうことがあります。例えばの話で言いますが、

ある症状があって、その症状から脳梗塞が疑わしいと思って、MRIやCTなどの検査をしたとします。結果、梗塞はなかったとします。この結果から、「脳梗塞はない」と言ってよいと思います(“細かな梗塞”とかは今は気にしないでください。その症状を引き起こすほどの脳梗塞はないという意味くらいに捉えてくださいね)。

そんでもって、他の考えられる検査をいろいろします。その結果もまったく異常なかったとします。それを見て、こう結論付けるDrがいます。

「身体疾患はない」

さて、これは正確な表現でしょうか?厳密に言うと、こうですよね。

「種々の検査結果から、現時点ではなんらかの身体疾患を裏付ける証拠は得られなかった。」

私は医師ではないから、あまり偉そうなことを言える立場にはありませんが、この部分の考え方は大事だと思うんですよね。司法では「疑わしきは罰せず」の考え方で、罪は「ない」ものとみなさないと、取り返しがつかないことになる恐れがありますが、逆に病気の場合は「ある」のか「ない」のか厳密にはわからないときに「ない」としてしまうと、万一病気があったときに、取り返しがつかないわけですからね。

実際には、丁寧にありとあらゆる検査をした結果、身体疾患が見つからなければ、「身体疾患はない」と言って、ほぼ間違いないのだとは思いますが、それでもごくまれに、思いもよらなかった病気であることが判明したり、これまたほっとんどないことでしょうけど、新しい病気が発見されることもないとは言い切れませんからね。

まあ上の例は気持ちとしてはわからなくもないですが、心理屋さんとして仕事をしてると、こういう依頼のされ方をすることがあるんですよね・・・。

「××(症状)があったんで、いろいろ検査してみたけど、何も見つからなかったし、心因性のもんやね。あとは、カウンセリングとかやっといてー。」

いやいや、「身体因ではない」=「心因のもの」っていう考え方っておかしいでしょうよ。身体因を疑っていろいろ調べたのなら、心因も調べるべきではないんですかね?「心因」をゴミ箱診断的に使うのはカンベンしてもらいたいです。あと、時々、「ストレス性」程度の意味で、何でもかんでも「自律神経失調症」と言って、診療を「放棄」する医師を見かけますが、これもカンベンしてもらいたいです。

そういう依頼の仕方ではなく、こう言って依頼されると、安心してお引き受けできます。

「××(症状)があったんで、いろいろ検査してみたけど、何も見つからなかったんよね。こちらでももうちょっと経過みていくけど、心因性の疾患の可能性もあるので、一度そちらでみてもらってもいいかなあ?」

これなら納得できるんですよね。そんで、こういう依頼の仕方をしてくる医師は患者さんへの説明も概して丁寧な印象。

「××の症状があったので、△△と□□という病気の可能性を疑って、検査を行いましたが、検査結果は異常なしでした。現時点では断定的なことは言えませんが、××という症状はストレスなどの心理的な要因で起こることもあるので、一度臨床心理士の先生にみてもらおうと思うんですが、どうでしょうか?もちろん、こちらでも経過を見ていきたいので、引き続き診察にはお越しいただきますけどね。」

もちろん、いつでもこういった説明がいいとは思いませんが、必要に応じてこういう説明をしてくれる医師だと、一緒に仕事をしていてとても安心感があるなあと思います。

それにしても、私のまわりにはなんだかそういう医師の方が少ないような気がして仕方ないんですけど、そんなもんなんですかね?はぁ・・・

医師のブロガー増えてますよね。
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│posted at 23:55:16│ コメント 5件
≫コメント 
「未確認」飛行物体が「存在しない」っていうのも、変な話ですね。確認前の飛行物体は、すべてUFOなんでしょうし。確認された時点でUFOじゃなくなるのかな。。。
ナルホド│URL│posted at 2006-05-11(Thu)│編集
>ナルホドさん

>「未確認」飛行物体が「存在しない」っていうのも、変な話ですね。

まあ、厳密にはそうなんですけどね(^^;)
一般的な使い方では、「宇宙人が飛ばしている円盤」くらいな意味でしかないですから、そこの部分は多めに見てもいいかなと。
しゅう│URL│posted at 2006-05-11(Thu)│編集
しゅう兄さんと(ほぼ)似たような環境で勤務している僕としては…

 それ、めっちゃあります!

 
 ていうか、そればっかりかも(>_<)

 そういう医師って、言い方悪いですけど、半分以上諦めてはりますよね…丸投げというか。

 もちろん、そんな医師ばかりじゃないですけど…確かに多いですよ、正直。

 激しく共感しました。ふぅ・・・
ひろぼう│URL│posted at 2006-05-12(Fri)│編集
>ひろぼうさん

>そういう医師って、言い方悪いですけど、半分以上諦めてはりますよね…丸投げというか。

諦めもありますが、精神疾患への理解不足もあるのかなと思います。「身体疾患を除外できる場合は精神疾患」みたいなノリですかね。ちょっと不可解だとすぐに「ヒステリーだね」なんていう医師とかね。ヒステリー(転換性障害)の診断基準も知らずに言う人があまりにも多い印象。
しゅう│URL│posted at 2006-05-12(Fri)│編集
>ヒステリー(転換性障害)の診断基準も知らずに言う人があまりにも多い

 医師が余程煮詰まったケースの場合、そうおっしゃる心情は理解できなくもないですが…確かに診断基準を知らない方は多いですね。

 私は一応ストレスを専門(?)にしていることを、ある程度院内には周知されているせいか、身体所見が見られない方が「自律訓練やって」「筋弛緩やって」ってな依頼が多いです。そういう場合、結構丸投げなことが多いですね…

 まさしく【「心因」をゴミ箱診断】に使っているなぁ、と実感しますね。
 
 もひとつ余談。最近は、患者さんにも多いですね。何の本を読んだのか「私は心因でしょ?」ってな勢いでカウンセリングを希望する人もいます。

 ぶっちゃけ、今回のエントリは、どこかほっとしました。「あぁ、うちだけちゃうねんなぁ・・・」って(笑)
 シリアスな問題なんで、笑ってはいられないんですけどね☆
 
ひろぼう│URL│posted at 2006-05-12(Fri)│編集
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