しゅう兄さんの臨床心理士的生活-臨床心理士のボランティア-

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2006.02.24(金)

臨床心理士のボランティア

ロテ職人の臨床心理学的Blogで、臨床心理士とボランティアという記事が出ています。その中でロテ職人さんが、

「災害時に臨床心理士が臨床心理士としてボランティア活動を行う必然性」ってのはあるんでしょうか?


と疑問を投げかけ、

いや、別に臨床心理士が一個人として「心のケア」とか言わないでボランティアやるのはそれは結構なことだと思います。


結局専門性とか臨床能力というよりは、ボランティア個々の「人間力」(他にうまい言葉があったら教えてください)で勝負!って感じになると思うですよ。…となると「別に臨床心理士じゃなくてもいいんじゃね?」と思うんですが…いかがですかね?


とおっしゃられています。
私自身は、ちゃんとやったうちにはとても入りませんが、ほんのわずかですが、震災時に臨床心理士としてボランティアに行ったことがあります。そういう立場から「臨床心理士の臨床心理士としてのボランティア活動」について私なりの考えを書いてみたいと思います。

 
まず最初に、専門家によるボランティアというのは、何も臨床心理士に限らず、他の領域でも盛んに行われています。

福島県災害対策グループのホームページボランティアとの連携というページに、ボランティアの分類が載っていますが、

ボランティア活動には、労務提供型の一般ボランティアと、専門知識、技能を有する専門ボランティアの2つが考えられる。
専門ボランティアには、医師や看護師等の資格をもつ医療ボランティア、介護福祉士の資格、あるいは寮母等の経験をもつ介護ボランティア、建物の倒壊、外壁等の落下の危険度を調査し、建築使用の可否の判定に当たる応急危険度判定士、外国人との通訳・翻訳を行う語学ボランティア、消防・警察業務に知識、経験を有する救急・救助ボランティア、アマチュア無線の免許を有する無線ボランティアなどが考えられる。



と書かれています。その他で私が知っている範囲では、理学療法士の団体や鍼灸師の団体も関わっていたと聞いたことがあります。というように、専門家によるボランティアは一般的なことのようです。行政もある程度は災害時への備えを行っているとしても、大規模災害では人材も財力も不足するし、震災などでは統括する自治体の人間自体も被災者であり、一般労務以外の専門的な部分でもボランティアに頼らざるを得ないと思われます。

さて、その上で、臨床心理士のボランティアについて順を追って考えてみたいと思います。

■災害時に“心のケア”が必要か?
まず、ここからになりますが、日本では阪神淡路大震災でPTSDという言葉が有名になったように、災害による心理精神面へのダメージは大きいということは既に周知のことと思われます。また、PTSDなどの精神疾患とまではいかなくとも、被災者すべてが高ストレス状態に置かれるわけですから、それに対するケアは必要でしょうね(と言ったら、「そんなことより衣食住のほうが先決だろうが!」みたいなことを言う人もいるんでしょうけど、そんなことは当然分かっています。それに加えてという話です。)。

■“心のケア”は誰がどこで行う?
状態によっては、投薬も必要でしょうし、安心できる場で定期的な心理療法を受ける必要があるかもしれませんが、身一つで、やっとの思いで避難所まで来て、なんとか食事や着るもの、雨風しのげる場所を確保した時点で、病院に行く余裕なんてないし、そもそも自分から病院へ行こうなどと考えないでしょうし、前述したようにそこまでの状態ではないけど、“心のケア”は必要という人もいるでしょう。それならば、待つのではなく、避難所に誰かが出向いていく必要があります。
じゃあ誰が?ということですが、“心のケア”が必要な対象で、そこには精神疾患のレベルの人も混じっているということなんですから、専門家=心理士or精神科医が妥当ではないでしょうか?できれば、危機介入の知識のある心理士or精神科医が良いのでしょうけど、絶対数が足りません。なので、危機介入の経験がない者も、危機介入の専門家の指導を受けつつ、援助にあたることになるでしょうね。

■危機介入は有償?無償?
ロテ職人の臨床心理学的Blogで、ロテ職人さんは、

(妥当な)専門的技術の提供に対しては、正当な報酬はあってもしかるべきでしょう…というかそれが当たり前かと。


さらに、

前述のように被災者(or 被害者)がそれを払う必要はなく、例えば自治体であったり、「臨床心理士の社会的地位を高める」ということであれば、臨床心理士会なりが出すべきなのではないかと。

「自発的に専門性を発揮できるかもしれない現場に行くのは止めません。お金は出せないけどね」ってことだとしたら、「実は必要とされていないのでは?」って感じもあるんですが。


とおっしゃられています。

「専門的技術の提供に対しては、正当な報酬」ということについては、基本的には同意です。ただし、それは通常の場合です。災害のような非常事態においては、それがムリな場合もあります。それは最初のほうに書いたように、自治体の財力もそうだし、いろんな方面のことを考える中で、すぐに有償で臨床心理士を雇う(?)ことができるはずもありません。
そして、「お金は出せない」から「必要とされていない」ということにもならないと思います。「お金は出せない」のがそもそも上述したようにやむを得ない事情があってというのもあるでしょうし、何より、「お金を出せない」のは自治体の問題であって、必要としているのは自治体ではなく被災者なわけですからね(そして、必要としている被災者自身がお金を出せないのは言うまでもなし)。

「臨床心理士の社会的地位を高める」ということであれば、臨床心理士会なりが出すべきなのではないかと。



という部分に関しては、危機介入自体、「臨床心理士の社会的地位を高める」目的で行うのではないですから、臨床心理士会が出すのも筋違いのように思います。結果として社会的地位が高まることがあったとしてもです。それに臨床心理士会にそこまでの財力はないと思われます。

横にそれましたが、お金の出所はないけど、必要とする人がいる。必要性は専門家である自分(個々の臨床心理士なり精神科医なり)が一番よく知っている。そして、自分が何かできる(かもしれない)ことも知っている。その上で、ボランティアであっても行くべきと思うか思わないかは個々人の問題かと思います。

ロテ職人さんは(と繰り返しますが、たまたま書かれているので引用しているだけで、個人攻撃をしたいわけではないですよ(^^;  )、

少なくとも自分で「ボランティア活動に参加しよう」と思って参加したことはない


とのことですが、実際に参加した多くの心理士もそうかもしれません。少なくとも私はロテ職人さんと同じでした。阪神淡路大震災のときにボランティアをされた方々、ロテ職人さんが引用されていた倉戸ヨシヤ氏や、当時中心的に活動していてスマトラ沖地震の際も支援にあたった高橋哲氏(スマトラは有償だったようですが)などはご自身が被災され、その中で必要性を感じ活動されたようですし、当時活動されていた方々は被災者あるいは身近な知人が被災者であるというケースも多いようです。
自分あるいは自分の身近で災害があり、自分の技術が役にたつかもしれないと思ったら、「何かせずにはいられなくなった」ということなのかなと思います。本質的な必然性はおいておいても、参加している本人には必然性があるわけで、それだけのことでしょうね(本質的な必然性はこれまで述べてきたとおりですけど)。

私自身は、かつて大災害を身近に経験しつつも、当時は臨床心理士にまだなっていなかったことから、臨床心理士としてのボランティアには参加していません。その後、災害時の危機介入を数多く経験している臨床心理士の方々と親しくなり、そして新潟中越地震があり、行ってみないかと誘われて行ったわけですが、私の中では必然性があったわけです。

誤解のないように言っておきますが、「心理の仕事ができるなら、お金なんて関係ない」などと言っている大学院生や、“臨床心理士になりたいと思っている”人を時々見かけますが、それとこれとは別問題です。通常の業務には正当な対価をいただきます。その上でのボランティアだと思っています。

そして今後も何かあれば私はボランティアに行くと思います。

いつもご声援ありがとうございます→
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│posted at 18:16:04│ コメント 3件
≫コメント 
ボランティアですか。
私は明日7年間続けているボランティアに行って来ます。
お金とか、仕事とかは一切関係のない、知的障害者のボランティアです。

プロとしてお金をいただいて仕事をしている中で、それをボランティアとしてやっていくのは難しいことですね。そこに必要性があったとしてもです。
まあ、でも、人のために役にたちたい、救いたいという心からの気持ちもあるでしょうから、割り切って仕事とボランティアの両立をしていけばいいのでしょうか・・・。
かちゅ│URL│posted at 2006-02-25(Sat)│編集
こんばんは、よらせていただきました。ボランティアってそうね。気持ちですからね。私も久々にボランティアしようかな。
Supple│URL│posted at 2006-02-26(Sun)│編集
>かちゅさん

>プロとしてお金をいただいて仕事をしている中で、それをボランティアとしてやっていくのは難しいことですね。

そうなんですよね。なぜするのか?と問われてもうまくは答えられない…。

>でも、人のために役にたちたい、救いたいという心からの気持ちもあるでしょうから

うーん…。それも、なんかちょっと違うような気がするんですよね…。そういうことなら、仕事であっても、そういう部分はあるし、仕事において思う「人のために役にたちたい」以上でも以下でもないような…。

>仕事とボランティアの両立

実際に毎週やるとかなったとき、正直両立できるような気はしませんが、今度機会があったら、そのときにもやはり行くでしょう。
しゅう│URL│posted at 2006-02-28(Tue)│編集
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