しゅう兄さんの臨床心理士的生活-臨床心理士の養成-

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2006.02.17(金)

臨床心理士の養成

あっちこっちの臨床心理士のブログでこの話は載っていますが、つい先日も末々草(すえ思う故にすえあり)で、【久しぶりの】医学教育の実習・研修モデルと,臨床心理士養成のそれとを比較して考える【大型エントリ?】というエントリーがあがっていたので、ちょっと私も書いてみました。

私自身は医師の実習制度や臨床研修に関して詳細は知らないので、たまに話をする機会もある、リハビリ(PT・OT・ST)を例に出して考えたいと思います。

リハの人達の実習は臨床心理士養成課程の実習と比較すると桁違いに量が多いです。学校や、PT・OT・STの職種間での違いはあるようですが、だいたい以下の感じです(法律による規定はあるんですかね?私の知る範囲ですので規定等ありましたらお教えください)。

■見学実習:1週間×1~2回
■臨床評価実習:2~4週間×1~3回
■長期臨床実習:7~9週間×2~3回

うちの病院に来ている学生さんたちは、「見学実習1週間×2、臨床評価実習3週間×2 長期臨床実習8週間×3」というパターンが多いです。

ちなみにこの「○週間」というのは、「週5日×8~9h/日」での「○週間」という意味です(「週2日4時間ずつ」の「○週間」とかではありません)。

どうですかね?臨床心理士の指定大学院あるいは学部でこの半分でも実習をやってるところはありますかね?かなり少ないのではないかと思います。

まあ、時間をかけさえすればいいってもんではないですが、そもそも時間数が少なすぎるのは問題外です。

それとこれが結構気になってるんですけど、これも私の知る範囲ということになりますが、臨床心理士の養成過程(つまり大学院)で、実習が不合格で卒業(修了)できなかった人というのを聞いたことがありません。それは指定大学院に入る学生がすべからく優秀だからですか??まあ、言うまでもありませんが、そんなことはないでしょうねえ…。結構学生さんはたくさん知っていますけど、実習で落ちるという発想そのものが大学院にはないように思います(同様に修士論文で落ちたいう人も聞いたことないですけど)。

リハの実習はかなりの頻度で落ちます。うちの病院のリハの方々も実習で不合格になったことがあるという人は何人かいます。中にはそれが元で留年した人もいます。聞けば無遅刻無欠席でも「積極性がない」とか「理解できてない」という理由でも落ちるそうです。考えてみれば当たり前の話なんですけど、心理の世界ではなぜか落ちない…。

実習の内容も、やはり時間と厳しさに応じて密度が濃いようです。リハの人達の場合少なくとも、就職してから「まったく見たことも聞いたこともないことを初めてする」という目に逢う人は少ないでしょう。しかし、心理の場合はザラというか、それが普通ですよね?

ちなみに、私の場合、今の病院へは他領域で幾分の経験を積んだ後に入っています。応用できる部分があるとは言え、はじめて見聞きするものがほとんどでした。なので大慌てで勉強して、数ヶ月以内には「知ったかぶり」できる程度に仕上げましたが、リハの人達は私が実習くらいでは経験していると思い込んでいたようでした。

臨床心理の場合、領域も技法も多岐に渡っているので、教育が難しいのはよくわかりますが、保険点数の本に載っている心理検査を「やってみたこと」があり、最低限のインテークの仕方と、代表的な面接技法のいくつかを「見たことがある」くらいにはしておくべきではと思います。それには、最低でも上記のリハの人達と同じか、それ以上の時間が必要になってくると思います。

そうすると「修士論文も書きながらの2年」では足りないし、それで専門職大学院ってのも研究能力を損なってしまうし、どうしたらいいかってのはわかりませんが、学部でやったらいいっていうのには反対です

心理学の基礎を学ぶ時間として必要というのもありますが、「高校生の頃はあれだけカウンセラーになりたいと思ってたけど、大学で心理学も学んだし、いろいろ大学で経験して、22歳(現役の場合)の今、もう一度よーく考えてみて、本当に自分は臨床心理士として食っていくのか!?他の人生もあるし、どうしよう??」と考える機会が必要だと思っています。

高卒でいきなり臨床心理士へのレールが敷かれていたら、ただのなりたい子ちゃんが、なんとなく臨床心理士になってしまうということもありえなくないと思うのです。就職活動をしてる友人たちを尻目にわざわざ大学院を受験するということに結構意味があると思っています(なので、大学院も増えなくていいし、目立たず、そして受かりにくいままでいいんです)。

その上で、必要な実習をどう取り入れいくかというかなり無理のありそうな難題を考えていく必要があるのではと思います。個人的には心理系大学院が3年ないしは4年になってもいいと思っていますが、学校教育法上ムリなんでしょうね…。

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│posted at 12:57:13│ コメント 8件
≫コメント 
しゅうさん.TBありがとうございます.
OT,PTさん達の実習も確かに量・質ともに非常に高いですよね!しかも,あれも身体障害,精神障害,老健など色々な場所を廻るんですよね?

ご指摘の通り,実習中止など心理学の世界では聞いたことがありませんねぇ.中断はあるけれど・・・これも,他分野からしたら異常なのでしょうね.

すえぞう│URL│posted at 2006-02-17(Fri)│編集
そうですか。
実習で落ちないですか。
心の問題を評価していくことの難しさがあるんでしょうね。
看護の実習はすぐ落ちます。
私も一回落として、危うく留年しかけたことがあります。看護に向いてないんじゃないか?私のしてきた看護はどうだったのか?考えるよい機会になったと思っています。

臨床心理士として、食べていくのは難しいことかも、しれません。ただ、しかれたレール通りになるものでもないと思います。

でも、やっぱり気持ちがあるなら、目指さない理由はないと思いました。
やっぱり私も臨床心理士になりたい!

なんか、適切なコメントしたい内容と違うものになってしまいましたが、あしからず。
かちゅ│URL│posted at 2006-02-18(Sat)│編集
>すえぞうさん

>あれも身体障害,精神障害,老健など色々な場所を廻るんですよね?

基本的にはそうみたいです。PT・STは精神科領域がないので、違いますが、OTはすべて廻るようです。

心理はこれらに比べたら幅広いのはわかりますが、せめて精神科と養護施設(or情短)と発達系施設と教育センターくらいはあってもいいかなあと思います。

しゅう│URL│posted at 2006-02-20(Mon)│編集
>かちゅさん

>私も一回落として、危うく留年しかけたことがあります。
>看護に向いてないんじゃないか?私のしてきた看護はどうだったのか?
>考えるよい機会になったと思っています

そうなんですよね。落ちるといろいろ考えるので、そういう意味でも必要なんですけどね。

>心の問題を評価していくことの難しさがあるんでしょうね。

いや、実習で評価されるとしたら、それは「心の問題」ではなく、心理士および社会人としての技術・知識・態度ですから、難しくもなんともないはずです。

あ、でももしかしたら、実習生をクライエントと同じように考えて、「どうして遅刻してしまったんだろうか?」「何か来づらい理由があるんだろうか?」なんて考えて、そればっかりで落とされないなんてこともあるかもしれません(イメージですけど)。しかし、仕事ですからね。理由の如何を問わず、ダメなものはダメでいいと思うんですけどね…。

>臨床心理士として、食べていくのは難しいことかも、しれません。
>ただ、しかれたレール通りになるものでもないと思います。

「しかれたレール」の詳細は分かりかねますが、かちゅさんが臨床心理士を目指されるのであれば、少なくとも現状の教育体制はこんな感じですので、よほど自分から積極的に勉強しないと、「イタイ心理士」になってしまいます…。東北大とか一部の学校は実習もかなり力を入れているようですが、ほんのごく一部です。

しゅう│URL│posted at 2006-02-20(Mon)│編集
突然すいません。

私も精神、発達、教育と分野は少しずつ変わって来て、そのたびに別職種の方と交わって、思うことがあって、書きます。

抽象的ではありますが、「失敗が許されるか?」「対人援助職として、失敗(非常におおざっぱで言えば、クライアントの主訴が憎悪した)した場合、その資格を持つものとして、その資格の看板を背負ってやっていくだけの覚悟と責任を負い続けられるか?」を考えます。

誰にも失敗があって、その責任を背負う人がいて、それをフォローする人はいると思います。

感情論になってしまいますが、私自身5年臨床をしてきて、「自分が関わっている患者さんが自殺未遂をした」「自分の仕事の任期が途中で途切れてしまうため、面接者を交代せざるを得ない」という場合、クライアントさんの痛みを想像すると、私なりに胸が痛み、
もっといい面接者と出会ってね、と思います。

「ええかっこしい」と言われるかもしれませんが、自分の力量の足らなさを恥じ、職場が変わった先ではできる限り途中交代は避けたい、と思ってしまいます。

当然、多くのクライアントを面接して、
しんどくなり、吐露したくなることはまだすくなくありませんが。

どうぞご意見よろしければお願いします。
きゅういち│URL│posted at 2006-02-21(Tue)│編集
>きゅういちさん

コメントありがとうございます。

>どうぞご意見よろしければお願いします。

とのことに関しては、私に何を問われているのか正直わかりにくいので…、と前置きをした上で、思うところを少しコメントしたいと思います。

>「失敗が許されるか?」「対人援助職として、失敗
>(非常におおざっぱで言えば、クライアントの主訴が憎悪した)
>した場合、その資格を持つものとして、その資格の看板を
>背負ってやっていくだけの覚悟と責任を負い続けられるか?」

私としては、基本的に失敗は許されないと思っています。しかし、現実として失敗はありえます。なので、そのための責任の取り方やバックアップの体制を確立しておく必要があるでしょうね。それとともに失敗を極力減らすための対策も必要でしょうね。これはS.V.を受けるとか、すぐに相談できる人が周りにいるとかいうことになるでしょうか。

>クライアントさんの痛みを想像すると、私なりに胸が痛み、
>もっといい面接者と出会ってね、と思います。

「胸が痛み」というのは同感ですが、「もっといい面接者と出会ってね」と思うのは、自由ですが、なんだかちょっと…という気もします(あいまいな言い方ですが)。
「もっといい面接者と出会ってね」と後で思うくらいなら、最初から引き受けるべきではないし、引き受けてしまった以上、そんなことを思うのはクライエントに対して失礼ではと思います。もっとも、職場の事情によっては、自分にはムリな人も引き受けざるをえない時はあるでしょうけど。
任期に関しては、途中交代になりそうなケースでは、私はあらかじめクライエントに説明していました(今の職場は当分辞めないので前の職場の話)。

>当然、多くのクライアントを面接して、しんどくなり、
>吐露したくなることはまだすくなくありませんが。

そのへんは、こういう仕事であれば、皆多かれ少なかれあるでしょうねえ…。それを吐露できる環境に身をおいておくことが、より良い業務をやっていくためにも必要なことなんでしょうね。(S.V.とか、同業者の仲間とか…)




しゅう│URL│posted at 2006-02-22(Wed)│編集
>もっといい面接者と出会ってね」と後で思うくらいなら、最初から引き受けるべきではないし、引き受けてしまった以上

あいやすいません。
私的に、一人職場が多く、(精神科では常勤独りとか、もしくはスクールカウンセラー)自分のみが面接を担当することが多かったので・・・。

特にスクールカウンセラーは、
自分の希望通り来年度も勤務できる可能性が100%とはいえないので、
他の事情も合わせて、
年度が替わると人事がごそっと変わることが学校では当たり前なので・・・。

説明足りなくてすいません。

でも、「この言葉はちょっと・・・」というニュアンスは、少し再考してみようと思います。

ありがとうございます。また・・・。

きゅういち│URL│posted at 2006-02-22(Wed)│編集
>きゅういちさん

>一人職場が多く、(精神科では常勤独りとか、
>もしくはスクールカウンセラー)自分のみが面接を
>担当することが多かったので・・・。

私もほとんどずっとそういう状況で続けてきて、今は複数の心理士がいますが、先輩・上司はいないので、状況は変わりませんです。
で、そういう状況であっても、ムリなものは引き受けないことは必要と思うんですよね。他機関にふるとか、主治医にムリですと言うとか。

SCの状況も全国的に似たり寄ったりですから、だいたいわかりますが、その上で「そういう治療構造」であることを考えて、業務にあたることが必要なのかなと思います。

ん?なんだか話がずれてきましたかね?趣旨違っていたら申し訳ないですm(_ _)m
今後ともどうぞよろしくお願いします。
しゅう│URL│posted at 2006-02-23(Thu)│編集
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